エンクロージャー
屋外や湿気の多い環境向けに設計され、ガスケット封止により IP65~IP67 保護等級を実現する電子筐体です。粉塵、湿気、散水、悪天候から現場機器を保護し、UV対応の材質オプションにより長期屋外使用にも対応します。産業用センサー、IoTデバイス、屋外照明用途で広く採用されています。
桁ごとの解説とNEMAの対応:
IP保護等級の選び方

一体で途切れのないパッキン。溝は清浄かつ無傷に保つ。
十分な本数のねじを、正しい順序で均一なトルクに締める。
同等級のグランドを使い、空き穴は密閉プラグでふさぐ。
屋内はABS、直射日光下はUV耐候性のある材質。
必要な等級を決めるのは筐体ではなく設置環境です。使用場所を選ぶと、推奨等級とその限界、対応する製品グループが表示されます。
推奨保護等級
IP67
完全防じんで、水深1 m・30分の浸漬に耐えます。連続的な水中運用はこの等級の範囲外で、IP68が必要です。
地中埋設のジャンクションボックス、屋外センサー筐体、灌漑・インフラ用ボックス、船舶機器。
推奨保護等級
IP68
IP68は、メーカーが規定する深さと時間での連続的な水没に対応する等級です。ケーブル引込口、パッキンの設計、材質は製品ごとに確認する必要があります。
水中センサー筐体、排水・インフラ設備、水中に設置したままの計測機器。
推奨保護等級
IP69 / IP69K
IP69およびIP69Kは、高圧・高温の噴流水に対する耐性を示します。通常の雨に対する保護とは異なるため、用途ごとに検証してください。
食品製造ライン、衛生管理が求められる洗浄エリア、車載機器、強力な洗浄を受ける機械。
推奨保護等級
IP66
完全防じんで、12.5 mmノズルからの強い噴流も筐体内に入りません。薬品洗浄を行う場合は材質の耐薬品性を別途確認してください。
食品・乳業工場、医薬品製造、甲板上の機器、洗浄ライン。
推奨保護等級
IP65 – IP66
完全防じんで、低圧の噴流水に耐えます。屋外筐体では事実上の標準です。直射日光下ではUV耐候性のある材質を選んでください。
屋外配電盤、太陽光の接続箱、通信・フィールド自動化機器、EV充電設備。
推奨保護等級
IP54 – IP65
侵入した粉じんは動作に影響せず、あらゆる方向からの飛沫は入りません。屋内の制御・配電用途の多くはこれで足ります。
屋内制御盤、工作機械の電装、組立ラインの操作ボックス。
IP等級は筐体の最も弱い箇所で決まります。ケーブル引込口、蓋のねじ、後から開けた穴も同じ等級で密閉されている必要があり、そうでなければ本体の等級は現場で成立しません。
技術的な選定ノート
IP等級はそれ自体が保証ではなく、定められた試験の結果です。適切に選ぶには、等級が何を測っているか、取り付けがそれにどう影響するか、現場条件が試験とどこで異なるかを併せて検討する必要があります。
1桁目は固形物と粉じん、2桁目は水の浸入を示します。両者は独立に測定され、水の桁が高くても防じん性能が高いことにはなりません。IP67の浸水試験とIP65の噴流水試験は別のものを確かめており、互いの代わりにはなりません。
IP試験は定められた時間、定められた圧力、清水で行われます。現場に温水、蒸気、薬品洗浄、連続圧力がある場合、等級だけでは判断材料として足りません。材料とガスケットのこれらに対する耐性は別途評価してください。
昼に温まり夜に冷えるボックスでは内部の体積が膨張・収縮し、湿った空気が結露して水になります。この水は外から入るのではなく、内部で生じます。屋外用途では圧力調整エレメントが密閉性を損なわずにこの循環を断ちます。
ケーブル引込口を下向きにして取り付けたボックスには水がたまりません。上向きの引込口ではグランドの上に水滴が集まります。引込口の手前でケーブルに水切りループを設けると、表面を伝う水がガスケット面に達するのも防げます。
IP保護等級の選び方
どちらも完全防じんで、違いは2桁目にあります。IP65はあらゆる方向からの低圧噴流水に耐え、IP67は水深1メートルで30分の浸漬に耐えます。滞留水や冠水の恐れがなければ、屋外用途の多くはIP65で足ります。
置けません。IP67は一時的な浸漬、すなわち水深1メートルで30分を定めたものです。連続的な水中運用はIP68の範囲で、深さと時間はメーカーが個別に規定します。連続浸漬が必要な用途はご相談ください。
熱、紫外線、薬品によりパッキンは時間とともに硬化することがあります。蓋を開けるたびに溝を清浄に保つこと、つぶれや切れのあるパッキンを再使用しないこと、ねじを均一なトルクで締めることが寿命を大きく延ばします。定期点検にはパッキンの目視確認を含めてください。
選定を誤れば下がります。筐体の等級は最も弱い引込口で頭打ちになります。同等以上の等級のグランドを使い、締付け範囲をケーブル径に合わせ、空き穴は密閉プラグでふさいでください。グランド取付け済みで出荷されるモデルはこのリスクの大半を取り除きます。
直射日光下に置く場合はUV耐候性のある材質、すなわちASAまたはUV安定化ポリカーボネートを選んでください。標準のABSは長期の日射で色や表面強度を失うことがあります。機械的衝撃やEMIシールドも要件になる場合はアルミダイカスト筐体が適します。
適切に行えば保たれます。コネクタや押しボタンの抜きには密閉形の部品を使い、抜き寸法を部品の公差内に収め、切りくずを除去する必要があります。CNC加工、UV印刷、組立は当社の製造工程で対応でき、現場で手作業により開けた穴よりはるかに確実です。
桁ごとの解説、等級の一覧、NEMAとの対応は専用のページにまとめています。
使用環境、ケーブル引込口の数、寸法をお知らせください。適したIP等級、筐体タイプ、加工オプションをご提案します。